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『秘蔵宝鑰』の研究:構造と言語表現の視座から
Author 小渕尊史 (著)=Obuchi, Takafumi (au.)
Date2021.03.15
Pages1141
Publisher大正大学
Publisher Url https://www.tais.ac.jp/
Location東京, 日本 [Tokyo, Japan]
Content type博碩士論文=Thesis and Dissertation
Language日文=Japanese
Degreedoctor
Institution大正大學
Department大学院仏教学研究科仏教学専攻
Publication year2020
Keyword空海; 真言教理; 十住心思想; 嵯峨朝漢文学
Table of contents序論 1
第一部:『秘蔵宝鑰』の構造
第一章:『秘蔵宝鑰』における表現主体について-「誰」が「何」を語るのか 9
問題の所在 9
第一節言語伝達の基本パターン:説者と受け手の二層構造 10
第二節表現主体の多層性:著者空海と表現主体(言説機能 )11
第三節表現主体下の複数の説者とテクスト『宝鑰』の全体構成について 17
第四節どの説者が何を語るのか:『秘蔵宝鑰』巻上の構成 26
1-4-1)序詩・大意序・住心名頌 26
1-4-2)第一異生羝羊心 27
1-4-3)第二愚童持齋心 28
1-4-4)第三嬰童無畏心 29
第五節どの説者が何を語るのか:『秘蔵宝鑰』巻中の構成 32
1-5-1)第四唯薀無我心:その一 32
1-5-2)憂国公子と玄関法師の十四問答 32
1-5-3)第四唯薀無我心:その二 38
1-5-4)第五拔業因種心 38
第六節どの説者が何を語るのか:『秘蔵宝鑰』巻下の構成 40
1-6-1)第六他縁大乗心 40
1-6-2)第七覚心不生心 41
1-6-3)第八一道無為心別には如実知自心・空性無境心 42
1-6-4)第九極無自性心 44
1-6-5)第十秘密荘厳心 47
第七節視点の展開:言表を受容する読者 51
第二章:『秘蔵宝鑰』の顔の見える読者について-天皇と文人官僚 61
はじめに 61
第一節本章の見通し:「嵯峨帝・淳和帝の側近」「文人官僚」とは誰を指すのか 62
2-1-1)政権の担当者と天皇側近 62
2-1-2)勅撰詩集の編纂者と詩人たち 64
2-1-3)文章生出身の官僚たち 67
第二節 事績と詩文の実作①:嵯峨天皇 69
第三節 事績と詩文の実作②:淳和天皇 78
第四節 弘仁・天長期の側近中の側近:血縁・縁戚関係にある人々 85
2-4-1)良岑安世よしみねのやすよ(785-830) 85
2-4-2)藤原冬嗣ふじわらのふゆつぐ(775-826) 89
2-4-3)藤原三守ふじわらのみもり/ただもり(785-840) 92
第五節 弘仁・天長期の官僚との交渉:文人官僚を中心に 95
2-5-1)藤原園人ふじわらのそのひと(756-819) 95
2-5-2)菅原清公すがわらのきよきみ(770-842) 97
2-5-3)小野岑守おののみねもり(778-830) 98
2-5-4)滋野貞主しげのさだぬし(785-852) 102
第六節 総括 105
第三章:『秘蔵宝鑰』で語られるものと隠されるもの-『十住心論』との比較を中心に 117
問題の所在 117
第一節 『宝鑰』と『十住心論』の関係 117
第二節 『宝鑰』と『十住心論』の比較①:序と第一住心 124
3-2-1)序詩と帰敬序 124
3-2-2)大綱序 126
3-2-3)第一異生羝羊心 128
第三節 『宝鑰』と『十住心論』の比較②:第二住心~第五住心 131
3-3-1)第二愚童持齋心 131
3-3-2)第三嬰童無畏心 133
3-3-3)第四唯薀無我心 137
3-3-4)第五拔業因種心 139
第四節 『宝鑰』と『十住心論』の比較③:第六住心~第八住心 141
3-4-1)第六他縁大乗心 141
3-4-2)第七覚心不生心 145
3-4-3)第八一道無為心 [如實知自心・空性無境心] 148
第五節 『宝鑰』と『十住心論』の比較④:第九住心 155
第六節 『宝鑰』と『十住心論』の比較⑤:第十住心 165
第七節 総括:『宝鑰』が読者に秘す三密瑜伽行の本質 181
第二部:『秘蔵宝鑰』の修辞と言語表現
第四章:空海における「文」:教の源と秀句 210
問題の所在 210
第一節 「文」の起こりと「名教」について:『文心雕龍』と『文鏡秘府論』 211
第二節 空海が説く文章制作の要諦:情志と技巧 - 『文鏡秘府論』の事例検討 220
4-2-1)『文鏡秘府論』南巻における詩文創作秘訣の文例 221
4-2-2)『文鏡秘府論』南巻所録の陸機「文賦」 228
第三節 空海の著作における秀句 240
4-3-1)「秀句」とは何か 240
4-3-2)空海の著作における「秀句」の実例 242
4-3-2 の1)空海の著作における「秀句」の実例①:教理的著作から 242
4-3-2 の2)空海の著作における「秀句」の実例②:『性霊集』から 249
第四節 『秘蔵宝鑰』における秀句 257
4-4-1)『宝鑰』巻上における「秀句」の検討 257
4-4-2)『宝鑰』巻中における「秀句」の検討 261
4-4-3)『宝鑰』巻下における「秀句」の検討 269
第五節 本章のまとめ 276
第五章:『秘蔵宝鑰』の修辞法について:対句・詩頌・問答 307
はじめに 307
第一節 『宝鑰』における対句について 307
5-1-1)「対句」とは何か:本質と役割 308
5-1-2)『文鏡秘府論』における対句の説明・分類 311
5-1-3)空海の対句表現の完成形態:「智泉達嚫文」 316
5-1-4)『秘蔵宝鑰』における対句表現の実態 322
5-1-4 の1)『秘蔵宝鑰』巻上の対句表現 322
5-1-4 の2)『秘蔵宝鑰』巻中の対句表現 327
5-1-4 の3)『秘蔵宝鑰』巻下の対句表現 337
第二節 『宝鑰』における詩頌(偈頌)について 346
5-2-1)「詩頌」の定義と仏教テクストにおける偈頌 347
5-2-2)空海の著作における「詩」と「詩頌」 349
5-2-3)空海の教理的著作における「偈頌」 351
5-2-4)『秘蔵宝鑰』における「偈頌」 364
5-2-4 の1)『秘蔵宝鑰』巻上における偈頌 364
5-2-4 の2)『秘蔵宝鑰』巻中における偈頌 367
5-2-4 の3)『秘蔵宝鑰』巻下における偈頌 368
5-2-5)空海の教理的著作における「偈頌」のまとめ 371
第三節 空海の著作における問答体について 372
5-3-1)『秘蔵宝鑰』における問答の事例 373
5-3-1 の1)『秘蔵宝鑰』巻上における問答 373
5-3-1 の2)『秘蔵宝鑰』巻中における問答 377
5-3-1 の3)『秘蔵宝鑰』巻下における問答 385
5-3-2)空海の他の著作における問答の事例 390
5-3-3)空海の問答形式の源流を探る(先行する漢籍・仏典の事例) 404
第四節 本章のまとめ 415
第六章:比喩による表現法:第四住心冒頭の「燕石濫珠璞鼠名渉」について 454
はじめに 454

第一節 「燕石濫珠璞鼠名渉」という表現の置かれた文脈 455
第二節 「燕石濫珠」という表現 456
第三節 「璞鼠」という表現:典拠と仏典での使用法 458
第四節 本章のまとめ:教判の伝統に於ける比喩「燕石」「璞鼠」 461
付論 僧祐『出三藏記集』序文の「燕石」と劉勰について 464
第七章:『秘蔵宝鑰』における『老子』『荘子』由来の語彙表現について 472
はじめに 472
第一節 空海における老荘の位置付け 472
第二節 『秘蔵宝鑰』に引用される『老子』:万物根源の「道」 475
第三節 『秘蔵宝鑰』に引用される『老子』:和光同塵 477
第四節 『秘蔵宝鑰』へ流入する老荘的語彙表現のパターン 481
第五節 『秘蔵宝鑰』に見られるその他の老荘的な語彙表現 482
第六節 生死流転に関する『秘蔵宝鑰』と老荘テクストの類似性 489
第七節 本章のまとめ 491
第八章:『秘蔵宝鑰』における『文選』由来の表現について 499
はじめに 499
第一節 『文選』について:特色と位置付け 499
第二節 空海における故事典拠の源泉としての『文選』 507
第三節 『秘蔵宝鑰』巻上における『文選』由来の表現 511
第四節 『秘蔵宝鑰』巻中における『文選』由来の表現 526
第五節 『秘蔵宝鑰』巻下における『文選』由来の表現 530
第六節 本章のまとめ 552
付論 『蒙求』に見出される『秘蔵宝鑰』所引の人物・故事について 557
第三部:『秘蔵宝鑰』の主題
第九章:『秘蔵宝鑰』における生死流転のテーマについて 595
はじめに 595
第一節 生生死死に対する態度 595
第二節 『秘蔵宝鑰』の序詩について 596
第三節 『秘蔵宝鑰』中の生死の説相について:①第一住心 600
第四節 『秘蔵宝鑰』中の生死の説相について:②第二住心以降 604
第五節 空海の他の著作における生死の説相について 608
第六節 まとめ:『秘蔵宝鑰』の構成に反映する生死流転 618
第十章:「十四問答」について:『秘蔵宝鑰』の
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Created date2023.03.24
Modified date2023.03.24



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