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Author |
藤田宏達=Fujita, Kotatsu
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Date | 2007.03 |
Pages | 784 |
Publisher | 岩波書店=Iwanami Shoten, Publishers. |
Publisher Url |
http://www.iwanami.co.jp/
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Location | 東京, 日本 [Tokyo, Japan] |
Content type | 書籍=Book |
Language | 日文=Japanese |
Keyword | 浄土; 願文; 鳩摩羅什; 菩薩; 真宗大谷派; 科文; 阿闍世王; 竺法護; 往生; 正念; 方法論; 三心 |
Abstract | およそ西紀100年ころインドで成立した阿弥陀仏の浄土に関する思想体系は,いちはやく東アジア世界に流伝し,漢訳仏教圏における浄土教として独自な展開を遂げるに至った.その根本経典は『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』という三つの経典であり,日本では古来「浄土三部経」と呼ばれている.このうち,『無量寿経』と『阿弥陀経』の原初形態によって想定されるインド浄土思想の解明を試みたのが,前著『原始浄土思想の研究』(1970年)である.その後三十有余年を経過したが,その間に国内外において浄土思想に関心を注ぐ研究者も多く現れ,また三部経の原典に関する新たな資料が発見されている.こうした学界の趨勢にかんがみ,著者自身もこの間に『梵文和訳 無量寿経・阿弥陀経』(1975年),The Larger sukhvatvyha:Romanized Text of the Sanskrit Manuscripts from Nepal 〔『梵文無量寿経写本ローマ字本集成』〕(1992-96年)を公刊し,また真宗大谷派(東本願寺)安居の講録として『観無量寿経講究』(1985年),『大無量寿経講究』(1990年),『阿弥陀経講究』(2001年)を刊行することによって,浄土三部経の講究をひとまず終えることができた.そこで,これまでの諸研究を参看し,三部経それぞれの資料・思想・流伝に関する諸問題の再検討を試み,これを組織的にまとめてみたのが本書である. 浄土三部経に関しては,古くからおびただしい研究成果が提示されているが,その多くは伝統的な各宗派の教学を基盤とする宗学的研究であり,一方,近代的な文献学・歴史学の方法論的基礎に立つインド学・仏教学的研究は比較的少ない.著者としては,どちらの研究も重要な領域であり,むしろ両方の接点をより深く見出していくのが,現代の学問状況における緊要な課題と考えている.その意味で,本書では両方の研究成果を勘案する視点から体系化することを目標としたが,しかしそれがどこまで到達し得たかということになると忸怩たるものがある.ただ,前著『原始浄土思想の研究』では主として浄土思想の起源問題に焦点を絞ったのに対し,本書では主として浄土思想の展開の問題に焦点を絞り,前著の補完を含めつつ,新たな視座からの続篇としたつもりである. (「はしがき」より)
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Table of contents | はしがき 略号表 序論 原始浄土思想と浄土三部経 一 浄土思想・浄土教・浄土仏教 二 原始浄土思想 三 浄土三部経 第一章 浄土三部経の資料と形態 第一節 〈無量寿経〉 第一項 〈無量寿経〉の諸異本 第二項 『無量寿経』の形態 第二節 〈阿弥陀経〉 第一項 〈阿弥陀経〉の諸異本 第二項 『阿弥陀経』の形態 第三節 『観無量寿経』 第一項 『観無量寿経』と異本 第二項 『観無量寿経』の撰述問題 第三項 『観無量寿経』の形態 第二章 浄土三部経の思想と解釈 第一節 阿弥陀仏の思想 第一項 阿弥陀仏の起源問題 第二項 阿弥陀仏と大乗仏教 第三項 三部経における阿弥陀仏 第二節 本願の思想 第一項 本願思想の構成 第二項 四十八願の考察 第三節 浄土の思想 第一項 極楽の観念 第二項 極楽浄土の思想構造 第四節 往生の思想 第一項 往生思想とその源流 第二項 往生思想の諸形態 第五節 念仏の思想 第一項 念仏と称名 第二項 念仏と信 第三章 浄土三部経の流伝と受容 第一節 インドとチベット 第一項 インドにおける流伝 第二項 チベットにおける受容 第二節 中央アジアから中国へ 第一項 中央アジア・中国における流伝 第二項 中国・朝鮮における受容 第三節 日本──法然・親鸞まで 第一項 日本古代の三部経の受容 第二項 浄土宗・真宗における三部経 附章 浄土三部経の諸本対照表 凡例 ・『無量寿経』の諸本対照表 ・『観無量寿経』の諸本対照表 ・『阿弥陀経』の諸本対照表 諸本の解説 |
ISBN | 9784000234337 |
Hits | 1709 |
Created date | 2007.04.19 |
Modified date | 2008.12.05 |
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