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法華経思想論
著者 松本史朗 (著)=Matsumoto, Shiro (au.)
出版年月日2010.08.01
ページ768
出版者大蔵出版
出版サイト https://www.daizoshuppan.jp/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類書籍=Book
言語日文=Japanese
ノート文献あり 索引あり
請求記号: 183.3-Ma81
仏教図書共通分類表: 183.3
キーワード法華経
抄録本来「一乗とは仏乗である」と説いていた『法華経』が、「大乗」「菩薩乗」を説く大乗経典の一つに転化したことを論証する。なお、本書の内容は、当初、『仏教思想論 下』の一章として収録する予定でしたが、分量的な観点から、法華経に関する論文だけを独立させて一書としました。ご了承ください。

「一乗真実」から「三乗真実」へ。要所で特徴的に用いられる注目すべき語、それらが使われた意義を精査するとき、法華経の形成される経緯が明確になり、その思想的変化を読み取ることができる。

法華経の要所で特徴的に用いられる注目すべき語と、それらが使われた意義を精査し、法華経の形成される経緯を明らかにするとともに、その思想的変化を読み取る。

目次第1章 一乗真実説から三乗真実説へ ―序説―
 本書全体の序説として、『法華経』の一乗思想に関する基本的考え方が、一乗真実説から三乗真実説または三乗各別説に変化したことを、主として「方便品」の散文部分と偈の部分とに用いられる術語の相違を通じて明らかにする。

 第2章 「方便品」散文部分の前半部分の考察
 第3章 「方便品」散文部分「仏知見の説法」部分の考察
 第4章 「方便品」散文部分の結論部分の考察
 著者が『法華経』成立の最古層と考える「方便品」散文部分の思想的内容について考察する。

 第5章 「譬喩品」散文部分の前半部分の考察
 第6章 「譬喩品」散文部分の後半部分の考察
 「譬喩品」散文部分の内容を、シャーリプトラに対する授記を中心とする前半と「火宅譬喩」を中心とする後半とに分けて分析する。この「火宅譬喩」は大乗という語を『法華経』に初めて導入するために、小乗は劣り大乗は優れていると考える大乗主義者によって、巧みに構想されたものであり、ここに、「一乗=仏乗」という「方便品」散文部分の根本的立場は、「一乗=大乗」に変更され、〈菩薩・大乗だけが成仏できる〉という立場が明らかにされる。

 第7章 「譬喩品」偈の考察
 シャーリプトラのような〈実は菩薩〉である〈仮りの声聞〉とは異なり、永久に成仏することのできない〈真の声聞〉が存在するという考え方について考察する。

 第8章 「方便品」偈の考察(一)
 第9章 「方便品」偈の考察(二)
 第10章 「方便品」偈の考察(三)
 第8章は、釈迦仏による仏知見の説法が始まるまでの段階に対応する偈の所説を検討し、第9章は、散文部分の後に置かれている偈の内容を考察する。また、第10章では、「方便品」偈の所説のうち、残された問題、つまり、空思想、如来蔵思想、小善成仏等の問題が考察され、付随して、「如来寿量品」に説かれる久遠実成の仏についても著者の見解が示される。

 第11章 「信解品」以後の諸章の考察
 一乗思想の解釈という観点から重要と思われる所説が扱われ、特に「薬草喩品」とヒンドゥー教的一元論との関係や「常不軽菩薩品」の思想的意義等が考察される。
ISBN9784804305783; 4804305785
ヒット数499
作成日2011.01.17
更新日期2023.09.05



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