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東寺供僧供料荘における年貢収取体系の発展と停滞=Development and Stagnation of Rent-Collecting System in Kuso-Kuryo-sho 供僧供料荘 of Toji 東寺
著者 網野善彦 (著)=Amino, Yoshihiko (au.)
掲載誌 史林=The Journal of history
巻号v.47 n.3 (總號=n.205)
出版年月日1964.05
ページ441 - 467
出版者史学研究会
出版サイト http://www.shigakukenkyukai.jp/
出版地京都, 日本 [Kyoto, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語日文=Japanese
ノート研究ノート
作者単位:東京・北園高校教諭
抄録延応以来再興された東寺供僧供料荘の年貢収取体系は建長年間に確立する。現地の新たな動きにより、それはまもなく動揺し始めるが、むしろそれを足場に供僧の荘支配は発展し、口数・料荘も増加してゆく。その小劃期は文永弘安・永仁正安・正和文保・正中建武にあったと思われるが、一方その過程は公事年貢の銭納化・供僧経済への貨幣流通の浸透に伴い、従来の体系を支える人的関係が、貨幣を媒介とした計算高いものに変つてゆく過程でもあった。それは年貢収取を次第に代官請負に依存させてゆき、借上・山伏や現地の国人等がこれを通じて体系内に浸透してくる観応擾乱後、文和延文ころから現地の条件が一定の成熟をみるに伴い、代官請負は次第に体制化し、応安・明徳の劃期を経過し、室町期に入って一応安定する。供僧経済からいえば一種の停滞であるが、これらの過程を辿りつつ、「南北朝内乱革命説」、守護領国制を地域的封建制とみる見方に対する疑問をのべてみた。

The rent-collecting system in Kusô-Ryô-shô 供僧料荘 of Tôji 東寺, rehabilitated since the Ennô 延応 era, was established in the Kenchô 建長 era. Control of Shô 荘 by Kusô 供僧 developed by the unrest of the system soon after the Kenchô era, increasing in its kinds and demesne, especially in Bunei 文永--Kôan 弘安, Einin 永仁--Shôan 正安, Shôwa 正和--Bunpo 文保, and Shôchû 正中--Kemmu 建武. On the other hand, its process, owing to the payment in cash of public rent and circulation of coins in the Kusô economy, was also that of the change in the human relation on the former system to the pursuit of profits through coins. Collection of rents more and more depended on the contract of Daikan 代官, and Kashiage 借上, Yamabushi 山伏 and resident Kokujin 国人 joined through the process into the system. After the Kannô 観応 Rebellion, since the Bunwa 文和--Enbun 延文, as a certain maturity grew in the country, this was more and more systematized, until it was stabilized in the Muromachi 室町 era through the epoch of Ôan 応安--Meitoku 明徳; which was a kind of stagnation judging from the Kusô economy. This article, from this point of view, presents some doubt to the theory "revellionrevolution of Nanboku 南北 dynasties", or the view that laooks on Shugo-Ryôkoku 守護領国 system as a provincial feudalism.
目次まえがき 441
一 料荘の年貢収取体系 442
二 年貢収入の動揺と文永・弘安期の発展 444
三 収取体系の拡大 ー 永仁の劃期 449
四 供僧の増加と荘園の大量獲得 451
五 収取体系の変質の信行 ー 南北朝内乱期 456
六 収取の停滞 ー 室町期 461

ISSN03869369 (P)
DOI10.14989/shirin_47_441
ヒット数192
作成日2021.01.08
更新日期2021.01.08



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