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著者 |
小林崇仁 (著)
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出版年月日 | 2018.08 |
ページ | 656 |
出版者 | 勉誠社 |
出版サイト |
https://bensei.jp/index.php?main_page=index
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出版地 | 千代田, 日本 [Chiyoda, Japan] |
資料の種類 | 書籍=Book |
言語 | 日文=Japanese |
ノート | 著者所属:大正大学綜合佛教研究所、智山伝法院、大正大学非常勤講師、慶應義塾大学非常勤講師などを経て、現在、蓮花寺佛教研究所研究員、真言宗智山派平福寺住職。 |
キーワード | 奈良; 仏教; 日本史; 平安; 古代 |
抄録 | 外来の宗教である仏教は、その伝来より、広く日本の社会・文化に影響を与えてきた。 なかでも、山林に分け入っての修行は、仏教創始以来の伝統として時代を通じて行われてきた。 仏教伝来から間もない古代日本において、山林修行はどのように行われ、どのような宗教的意義を有していたのか。 奈良から平安初期において山林修行を実践した泰澄、報恩、満願、施暁、玄賓、聴福、勝道、徳一、勤操の九名の事績を考察、 加えて、山林修行における諸種の形態・様相を諸資料をもとに描き出すことで、日本古代の山林修行の総体を明らかにする。 |
目次 | 序 論 一、本書の視座と課題 (1) 研究の対象 (2) 用語の確認 (3) 仏教における山林修行の伝統 (4) 日本古代における山林修行の概要 (5) 先行研究の動向 (6) 「自然智宗」をめぐって (7) 本書の課題 二、本書の方法と構成 (1) 研究の方法 (2) 各部章の概要
第一部 山林修行の先駆者たち 第一章 泰澄―泰澄伝に見る山林修行者像― はじめに 一、問題の所在 (1) 『泰澄和尚伝』の説く泰澄の人物像 (2) 先行研究における評価 二、泰澄に関する別伝 (1) 異なる3系統の伝―『泰澄和尚伝』『法華験記』『本朝神仙伝』― (2) 3つの伝をふまえた僧伝―『元亨釈書』『真言伝』― (3) そのほか中央の学匠・学僧による別伝 三、泰澄の人物像 (1) 山林修行者 (2) 霊山開山者 (3) 遍歴修行者 (4) 神祇信仰者 (5) 密教信仰の先駆者 (6) 朝廷の護持僧 (7) 神仙的宗教者 (8) 法華経持経者 おわりに
第二章 報恩―報恩伝の史実性― はじめに 一、報恩の動向 (1) 出自と出家 (2) 吉野での山林修行 (3) 観音呪の持誦 (4) 孝謙天皇の御病加持 (5) 十禅師 (6) 子嶋寺の建立 (7) 桓武天皇の御病加持 (8) 桓武天皇・皇后による子嶋山寺への援助 (9) 吉野金峯山の宝塔建立 (10) 遍歴修行 二、奈良期における報恩の位置 (1) 報恩伝承の学術的価値 (2) 当代における報恩の位置とその背景 (3) 後世への影響 おわりに 第三章 満願―神宮寺建立の背景― はじめに 一、満願の足跡とその特徴 二、八世紀における神宮寺建立の一背景 (1) 問題の所在 (2) 八世紀の神仏習合に関わった山林修行者に共通する特徴 (3) 八世紀に各地で神宮寺が建立された背景 おわりに
第二部 朝廷による山林修行者への信仰と支援 第一章 施暁―施暁の奏上と梵釈寺の造営― はじめに 一、施暁の事績 (1) 朝廷への奏上 (2) 僧綱への補任 (3) 施暁の周辺 二、梵釈寺造営の経緯 (1) 梵釈寺の造営 (2) 梵釈寺に関わった僧たち (3) 藤原百川をめぐる因縁譚 三、「施暁の奏上」と「梵釈寺造営の詔勅」 (1) 光仁・桓武期における僧綱の理念と天皇の仏教観 (2) 施暁の奏上 (3) 梵釈寺造営の詔勅 四、桓武期の仏教政策と梵釈寺 (1) 僧尼の才徳を高める政策 (2) 僧尼の私的な活動を制限する施策 五、梵釈寺の機能 おわりに
第二章 玄賓―嵯峨天皇からの殊遇― はじめに 一、玄賓の生涯 (1) 誕生と出家 (2) 伯耆国の山へ入る (3) 桓武天皇の御病平癒を祈る (4) 度者を賜る (5) 大僧都に補任される (6) 僧綱を辞し備中国に遁去する (7) 嵯峨天皇よりの殊遇 (8) 玄賓が住した郷の租庸の軽減 (9) 遷化 二、嵯峨天皇よりの殊遇の状況 (1) 嵯峨天皇よりの施物 (2) 嵯峨天皇の玄賓への尊敬の念 三、嵯峨天皇親書よりみた玄賓の人物像 (1) 玄賓へ贈られた親書や御製詩 (2) 玄賓の人物像 (3) 光仁期以来の為政者が期待した僧尼のあり方 (4) 「公廬山栖心襄陽晦跡」の解釈をめぐって おわりに
第三章 聴福―玄賓との類似性― はじめに 一、聴福の事績 (1) 度者を賜る (2) 紀伊国伊都郡に三重塔を建立―桓武天皇の当病平癒のために― (3) 嵯峨天皇より親書と施物を賜る 二、玄賓との共通点 おわりに
第三部 山林修行者による社会的実践行 第一章 勝道―日光山開山の意義― はじめに 一、『勝道碑文』のテキスト 二、勝道の略歴 三、日光山登頂を試みるまでの青少年期 (1) 勝道の出自 (2) 沙弥・比丘としての勝道 (3) 勝道の宗風―天台と華厳の可能性― 四、日光山山頂をめざした登頂期 (1) 薬師寺を離れて大剣峰、さらに日光山山麓へ (2) 葱嶺に譬えられた日光山 (3) 日光山山頂遺跡の解釈 (4) 蝦夷問題をめぐって (5) 補陀落山と二荒山 (6) 山神への畏怖と入山の作法 (7) 山頂における三七日の礼懺 (8) 礼懺による神祇供養 五、南湖畔に神宮寺を建て住した修行期 (1) 修行の勝地としての山中浄土 (2) 神宮寺の機能 (3) 神宮寺での修行 六、その後の利他弘道期 (1) 仏教の指導者・布教者・験者としての勝道 (2) 勝道の示寂 おわりに
第二章 徳一―東国に垂迹した菩薩― はじめに 一、徳一の事跡 二、菩薩の種々相 (1) 菩薩とは (2) 問題の所在 (3) 菩薩と称された僧尼たち(行基・金鷲・永興・寂仙・舎利) (4) 菩薩と称された僧尼たちの特徴 三、徳一の菩薩行 (1) 持戒 (2) 修学 (3) 山林斗藪・修禅 (4) 造寺 (5) 写経 (6) 授戒 (7) 講経 (8) 東行(仏の化現) おわりに
第三章 勤操―官大寺僧の幅広い実践行― はじめに 一、誕生・幼少期 (1) 生年 (2) 出自 (3) 明星入懐 (4) 父親早世 二、修行期 (1) 出家 (2) 得度 (3) 山林修行 (4) 受具足戒 (5) 三論修学 (6) 二利双修 三、小結―誕生から修行期― 四、賜度者―桓武天皇の看病― 五、御斎会 六、僧綱―律師・少僧都・大僧都― 七、造東寺所別当・造西寺所別当 八、川原寺別当 九、小結―朝廷との関わり― 十、三千仏名 (1) 仏名会 (2) 大通方広法 (3) 『三千仏名経』と『方広経』 十一、法華八講 (1) 岩淵寺の法華八講 (2) 法華経講会の沿革 (3) 八巻本による追善の講会―西寺における法華八講― (4) 法華八講の広がり―橘寺さらには村堂における法華八講― (5) 官大寺僧による私的な法華経講会 十二、文殊会 (1) 勤操と泰善による私的な文殊会 (2) 公的な文殊会の展開 十三、築池事業 (1) 狭山池 (2) 平安初期における築池事業と僧侶 十四、小結―利他行への展開― おわりに
第四部 山林修行の種々相 第一章 斗藪―勝道と徳一と空海の共通点― はじめに 一、勝道・徳一・空海、三者の共通点 二、日本古代における斗藪とは―三者の事跡を通じて― (1) インド初期仏教における頭陀行 (2) 斗藪の諸相―去来・水菜・薜蘿― (3 |
ISBN | 9784585310037 |
ヒット数 | 228 |
作成日 | 2021.08.16 |
更新日期 | 2021.08.27 |
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