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The Term madhyamaka as Explained by the Tarkajvālā: From the Point of View of Pāṇini’s Grammar=Tarkajvālāの規定するmadhyamakaについて:パーニニ文法学の視点から |
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著者 |
Ogawa, Hideyo (著)=小川英世 (au.)
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掲載誌 |
印度學佛教學研究 =Journal of Indian and Buddhist Studies=Indogaku Bukkyōgaku Kenkyū
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巻号 | v.70 n.3 (總號=n.157) |
出版年月日 | 2022.03.25 |
ページ | 1115 - 1122 |
出版者 | 日本印度学仏教学会 |
出版サイト |
http://www.jaibs.jp/
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出版地 | 東京, 日本 [Tokyo, Japan] |
資料の種類 | 期刊論文=Journal Article |
言語 | 英文=English |
キーワード | Bhāviveka; Madhyamakahṛdayakārikā; Tarkajvālā; madhyamaka; śāstra; siddhānta |
抄録 | バーヴィヴェーカ(Bhāviveka, ca. 490-570)作Madhyamakahṛdayakārikā(MHK)のmadhyamakaについて,注釈Tarkajvālā(TJ)が派生説明を与えていることは,Eckel (2008, 65), 斎藤明(2000; 2012)を通じてよく知られている.残念ながら,TJのサンスクリット原典は発見されておらず,チベット語訳を通じた派生説明は,非サンスクリット的であり,正確な理解は困難を極める.しかしながら,その派生説明を,パーニニ文法学体系に位置付け検討するならば,合理的に解釈可能である.TJの派生は,パーニニ文法学の視点から以下のように説明できる.
(1) madhyaは,実名詞madhya(「中」)にtaddhita接辞aが導入された語形であり(A 4.3.9),「〈中〉に位置し,適切と評価されるX」を意味する.例madhyaṃ kāṣṭham(「程よい薪」「長すぎず短すぎない薪」).
(2) madhyamaは上記madhyaに意味ゼロ(svārthika)のtaddhita接辞maが導入された語形である(A 4.3.8).上記のXを意味する.Xを「〈中なるもの〉」と呼ぶことにしよう(一般中性・単数形madhyamam).
(3) upapada複合語
madhyamakaは,madhyama(「中なるもの」)と/k/音で始まる,説示・宣布行為を表示する動詞語根(kath, kṝt等)にkṛt接辞Ḍa(〈行為主体〉表示)が導入された語形(kṛdanta)kaから構成されたupapada複合語である.適用規則は,A 3.2.101 anyeṣv api dṛśyateである.派生形madhyamakaは,非名称語と名称語の両様に解釈可能である.「〈中なるもの〉を説示・宣布するX」,「『〈中なるもの〉を説示・宣布するもの』という名称を有するX」を意味する.Xはśāstra(論書・学説体系)である.
(4) 名称形成taddhita接辞ka
madhyamakaは,madhyamaに名称形成のためのtaddhita接辞kaが導入された語形である.適用規則はgaṇasūtra to A 5.4.3 saṃjñāyāmである.この場合語基のmadhyamaは語形を表示する.名称madhyamakaはsiddhānta(定説)を指示する.śāstraとsiddhāntaはA 5.2.36のtaddhita接辞itaCで関係する.madhyamakaśāstraが論ずる主題の決定(śāstritārthaniścaya)がmadhyamakaと呼ばれるsiddhāntaである.
MHKにおいてmadhyamakaśāstraがSāṃkhya,Vaiśeṣika,Vedāntaなどの他のśāstraと対照をなしている点を看過してはならない.〈中なるもの〉を論ずる学が真の「仏教学」であるとの主張を窺うことができよう. |
目次 | 0. Introduction 1115 1. TJ on the term madhyamaka 1115 2. madhyama 1116 3. madhyamaka 1117 3.1. madhyamaka 1 1117 3.2. madhyamaka 2 1118 3.3. madhyamaka 3 1119 4. śāstra 1120 5. siddhānta 1120 6. Conclusion 1121 |
ISSN | 00194344 (P); 18840051 (E) |
DOI | https://doi.org/10.4259/ibk.70.3_1115 |
ヒット数 | 313 |
作成日 | 2023.01.10 |
更新日期 | 2023.01.11 |
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