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『秘密三昧耶仏戒儀』をめぐって:『入曼茶羅抄』に於る引用を中心に=A Study on the 'Himistusanmayabukkaigi'
著者 苫米地誠一 (著)
掲載誌 智山学報=Journal of Chizan Studies=智山學報
巻号v.38
出版年月日1989.03.31
ページ15 - 31
出版者智山勧學會
出版サイト https://www.chisankangakukai.com/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語日文=Japanese
抄録『秘密三昧耶仏戒儀』は弘法大師空海の撰述とされているが、古目録中にはその名称を見る事ができず、又実際に行なわれている三昧耶戒式文はこれと全く無関係に作られており、又伝授録等に於ても関説される事はない。そして別稿に述べた如く、『三十帖策子』中の『授発菩提心戒文』と円仁撰述の『灌頂三昧耶戒』という文献に基づいて作られている事が明らかとなり、円仁撰述文献に拠って成立している以上空海真撰とは考え難い事となった。それでは『秘密三昧耶仏戒儀』は何時頃作られたのかというと、実範・静誉の談話抄である『入曼茶羅抄』の三昧耶戒を説く箇所に「弘法大師三昧耶戒儀」なる文献が引用され、これが『秘密三昧耶仏戒儀』に一致する所が見られる。そこでこの『入曼茶羅抄』の引用文を検討すると『三昧耶戒序』を含むものであった。即ち『秘密三昧耶仏戒儀』相当分はそれより早い(一一〇〇年代以前)成立と考えられる。
ISSN02865661 (P)
DOIhttps://doi.org/10.18963/chisangakuho.38.0_15
ヒット数310
作成日2023.03.31
更新日期2023.03.31



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