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スリランカにおける仏教とキリスト教の歴史的対論 -- 「パーナドゥラー論争」の意義=The Panadura Vadaya: a Monumental Debate between Buddhism and Christianity in Sri Lanka
著者 釈悟震 =Shaku, Goshin
掲載誌 宗教研究=Journal of Religious Studies=シュウキョウ ケンキュウ
巻号v.82 n.2 (總號=n.357)
出版年月日2008.09.30
ページ301 - 324
出版者日本宗教学会
出版サイト http://jpars.org/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語日文=Japanese
ノート特集 宗教批判の諸相
キーワード寛容思想; 宗教論争; 仏教とキリスト教の対論; 仏教の近代化
抄録 スリランカ仏教は、アショーカ王の時代以来の長い歴史を有する。しかし、この長い同国の仏教の歴史は、決して平坦ではなかった。一六世紀以降のヨーロッパ人によるスリランカ支配は、必然的にキリスト教の布教、とりもなおさず仏教への圧迫さらに弾圧となって現われた。特にイギリスの植民地支配時代、スリランカの仏教は、存亡の危機に直面した。その時、仏教僧侶と二人のキリスト教の牧師との間に、激しい教理論争が繰り広げられた。その結果は仏教が勝利したとされるが、このことがスリランカ仏教復興の原動力となった。特に、仏教の近代化やその復興に功績の大きかったオールコット大佐が、仏教の支援者となったのもこの討論の結果である。そして、彼らの仏教復興運動は、全世界に波及しインドや日本の復興や近代化にも影響を与えた。一九世紀のスリランカの田舎で行われた仏教とキリスト教の討論は、仏教の近代にとって看過できない大きな意味を有するものであった。しかし、この討論についての学術的研究は、殆どなされていない。本稿では、この忘れ去られた仏教の近代化の出発点ともなった討論とその意義について検討する。

Buddhism in Sri Lanka has a long history stretching back to the times of King Asoka. This history, however, has not always been peaceful. The rule of Sri Lanka by the Europeans from the 16th century brought with it not only the proselytizing of Christianity but also the suppression of Buddhism. The period of colonization under England in particular saw Buddhism driven almost to the verge of extinction. At that time Buddhist monks and two Christian pastors were involved in intense doctrinal debates. The Buddhists were seen as victorious, and this became the turning point for the revival of Buddhism in Sri Lanka. Colonel Olcott, who went on to make great contributions to the revival of Buddhism, became a supporter of Buddhism as a result of these debates. The Buddhist revival movement also influenced the revival and modernization of Buddhism around the world, including India and Japan. Thus these debates, that took place out in the countryside in 19th century Sri Lanka, played an important role in the modern history of Buddhism. However, these debates have received almost no scholarly attention. In this article I would like to discuss the significance of this forgotten and overlooked chapter in the history of modern Buddhism.
ISSN03873293 (P)
ヒット数1926
作成日2008.10.28
更新日期2019.06.24



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