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中世の「住居観」について - 『海道記』を中心に
著者 川本豊 (著)=Kawamoto, Yutaka (au.) ; 佛教大学学術委員会大学院紀要編集委員会
掲載誌 佛教大學大學院紀要
巻号n.32
出版年月日2004.03
ページ1 - 16
出版者佛教大學大學院
出版地京都, 日本 [Kyoto, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語日文=Japanese
キーワード母-家-浄土; 仕切り; 入れ子; 住居観; 海道記
抄録本研究は、古典文学に表出される「家」に関する心性の歴史を解明しようとするものである。よって一般的な建築学的様式論をとるものではない。ここでは鎌倉初期の紀行文学「海道記』をテクストに、旅の視線を通して当時の「家」観を考えた。「老母」についての記述からは、帰りつくべき所として「家」の保持する感覚的具体性が昇華されて、再会すべき来世の浄土へとつながる。この、母家l浄土という連鎖の上に一つのイメージが見える。また「仕切り」という視点からは、「入れ子」と「障子」という二種類の隔て構造が浮び上がる。重層型と並列型とも言い換えられよう。「入れ子」型の仕切りは、抽象的であるが、内向的、外向的そして回帰的という三種類の方向性が認められる。「障子」型においては、紙一枚で事足れりとする非力とも表現される伝統的な「壁」の意味、つまり死生観と連関した「仕切り」に対する心性として、長い時代スパンにおける持続性・連続性の高さと意義について考察した。
目次はしがき 1
第一章 出つるところー帰るところ 2
第二章 二人称としての「母」 4
第三章 仕切りについてー「入れ子」と「障子」 8
「入れ子」重層型仕切りについて 8
「障子」並列型仕切りについて 10
むすび 12
ISSN13442422 (P)
ヒット数397
作成日2009.07.17
更新日期2021.01.13



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