サイトマップ本館について諮問委員会お問い合わせ資料提供著作権について当サイトの内容を引用するホームページへ        

書目仏学著者データベース当サイト内
検索システム全文コレクションデジタル仏経言語レッスンリンク
 


加えサービス
書誌管理
書き出し
〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗
著者 眞田芳憲 (著)=Sanada, Yoshiaki (au.)
出版年月日2018.03.15
ページ240
出版者佼成出版社
出版サイト https://kosei-shuppan.co.jp/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類書籍=Book
言語日文=Japanese
抄録「大逆事件」(1910年/明治43年)に連座し、37歳で刑死した禅僧内山愚童(1874-1911年)の評伝。従来、社会主義者・無政府主義者の側面が強調されてきた愚童について、彼が書き遺した著作や書簡などから、その仏教者としての実像に光をあてる。愚童は仏教思想に基づいて、明治期の国家・戦争・身分制・貧富・性差などをどのように捉え、何を訴えたのか――。明治維新から150年目を期して、時代の先を歩んだ一禅者の思想と行動がいま明かされる。巻末に註と内山愚童年譜を付す。
【編集者コメント】
「戦争はすべて罪悪なり。……(中略)……諸君の血を流すの要あらば、そは諸君の幸福と自由のためにせよ。」(内山愚童『帝国軍人座右之銘』より)
 内山愚童師の思想を支えたものは、イデオロギー・常識・正義・道徳などではなく、永遠不変の真理――、すなわちそれを説く宗教(なかんずく仏教、禅)でした。
 と同時に、その「永遠不変の真理」を、あらゆる自由が制限されていた旧憲法下の明治期に公言した、否、公言しないではいられなかったのは、愚童師その人の人間性のあらわれであり、心意気でありましょう。こんなお坊さんが明治時代におられたのです。
 内山愚童師のおもな評伝は、柏木隆法氏の『大逆事件と内山愚童』(JCA出版、1979年)と森長英三郎氏の『内山愚童』(論創社、1984年)が双璧をなしています。そのほかに、曹洞宗人権擁護推進本部編になる『仏種を植ゆる人――内山愚童の生涯と思想』(曹洞宗ブックレット「宗教と人権」8、曹洞宗宗務庁、2006年)が挙げられます。ただ残念ながら、現在ではいずれも入手や閲覧が困難な状況にあります。
 そこで本書を通して愚童師に触れていただければと思います。愚童師の生き方や主張をたどっていくと、私たちは〈人間らしく生きるとは、こういうことだろう〉と自ずから解ってきます。それは、愚童師の言葉が主義主張ではなく「永遠不変の真理」を語ったものだからです。
目次はしがき――内山愚童が、いま問うているもの
第Ⅰ章 禅僧内山愚童の不服従の抵抗と殉教
1 「大逆事件」の禅僧内山愚童とは
2 内山愚童とディートリッヒ・ボンヘッファーとの「対話」があったとしたら
3 内山愚童と「信教の自由」
4 愚童の抵抗の宗教的倫理と責任
第Ⅱ章 「大逆事件」と三人の僧侶
1 いわゆる「大逆事件」とは
2 大逆事件と内山愚童の弁護人花井卓藏
3 大逆事件と天皇制国家
4 「大逆事件」に連座した三人の僧侶に対する社会の好奇心
第Ⅲ章 大逆事件をめぐる関係宗門の対応と宗門内僧侶の批判的対応
1 徳冨蘆花の仏教者批判
2 愚童と佐藤実英老師
3 昭和五四年の「内山愚童を偲ぶ会」の結成と「町田差別発言事件」
4 新村善兵衛・忠雄兄弟と西沢学雄上人
5 丸茂天霊と長野善光寺僧侶
第Ⅳ章 内山愚童の思想と行動の遍歴
1 愚童の「人生の幸福」とは
2 愚童と社会主義思想との出会い
3 愚童の生い立ちと社会主義思想の萌芽
4 愚童の仏道修行への道
5 愚童の林泉寺晋山と布教活動
第Ⅴ章 内山愚童と『平凡の自覚』
1 『平凡の自覚』の草稿
2 「一平民になるの自覚」と『平凡の自覚』
3 『平凡の自覚』と愚童の宗教間対話の実践
4 『平凡の自覚』という論稿の名称
5 『平凡の自覚』における自由・平等・博愛の主張
6 愚童のユートピア社会と現実的予見
第Ⅵ章 「伊藤中将姦通事件」と愚童の「平凡の自覚」
1 愚童は「経巻を棄てゝ何を採らん」としたか
2 愚童の「伊藤中将姦通観」
3 愚童の「私有制度」論
第Ⅶ章 『入獄紀念・無政府共産・革命』の秘密出版
1 出版法と秘密出版
2 愚童の秘密出版の第一作としての『入獄紀念・無政府共産・革命』
3 愚童の『入獄紀念・無政府共産・革命』
4 三つの迷信からの解放
第Ⅷ章 『道徳非認論』と『帝国軍人座右之銘』(新兵諸君に与ふ)
1 「迷信ヲステヨ」と『道徳非認論』
2 愚童の非戦論と『帝国軍人座右之銘』(新兵諸君に与ふ
第Ⅸ章 愚童の非暴力による不服従の抵抗運動
1 日本の歴史上最大の悪書か、『無政府共産・革命』
2 「平凡の自覚」から「迷信からの覚醒と被搾取者の自覚」へ
3 愚童の非暴力による市民的抵抗運動の提唱
4 「社会参加仏教」の近代的先覚者としての内山愚童
第Ⅹ章 内山愚童の処刑と宗内復権・名誉回復
1 処刑台に立つ愚童
2 愚童の宗内復権と名誉回復
3 髙木顕明の宗内復権と名誉回復および峰尾節堂の宗内復権
4 大逆事件の犠牲者を顕彰する市民運動

附録 内山愚童年譜
ISBN9784333027767
関連書評
  1. 眞田芳憲 〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗, 田中伸尚 囚われた若き僧 峯尾節堂:未決の大逆事件と現代=SANADA Yoshiaki, The High Treason Incident and A Zen Priest Gudo Uchiyama's Resistance : TANAKA Nobumasa, Prisonered A Young Zen Priest Setsudo Mineo : Unsolved High Treason Incident and Present / 中川剛マックス (著)
ヒット数293
作成日2021.10.28



Chrome, Firefox, Safari(Mac)での検索をお勧めします。IEではこの検索システムを表示できません。

注意:

この先は にアクセスすることになります。このデータベースが提供する全文が有料の場合は、表示することができませんのでご了承ください。

修正のご指摘

下のフォームで修正していただきます。正しい情報を入れた後、下の送信ボタンを押してください。
(管理人がご意見にすぐ対応させていただきます。)

シリアル番号
626191

検索履歴
フィールドコードに関するご説明
検索条件ブラウズ