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Śamatha and Vipaśyanā in the Commentary on the Śarīrārthagāthā in the Cintāmayībhūmi=『思所成地』体義伽陀における止観
著者 阿部貴子 (著)=あべたかこ (au.)
掲載誌 印度學佛教學研究 =Journal of Indian and Buddhist Studies=Indogaku Bukkyōgaku Kenkyū
巻号v.65 n.3 (總號=n.142)
出版年月日2017.03.25
ページ1229 - 1235
出版者日本印度学仏教学会
出版サイト http://www.jaibs.jp/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語英文=English
ノートPart-time Lecturer, Taisho University
注記, , , ,
キーワードŚarīrārthagāthā; Cintāmayībhūmi; Yogācārabhūmi; Śrāvakabhūmi; ātmabhāva
抄録『瑜伽師地論』の『思所成地』Cintāmayībhūmiには,体義伽陀Śarīrārthagāthāといわれる41の偈頌の集成とその註釈部分を含んだ章がある.この偈頌部分に関してはすでに梵本校訂と出典に関する研究が為されているが,註釈部分の校訂は未だ公表されておらず,梵本に基づく思想研究も行われていない.

体義伽陀の註釈部分に見られる大きな特徴は,止観による三毒の滅を広説する点と,修習により清浄なる識を獲得し,さらに識と身体的存在ātmabhāvaを完全に断ずることを説く点である.本稿では特に止観に関わる第3,4,15,36項――テキスト校訂は別稿に譲る――を考察しその所説を『声聞地』と比較した.その結果,以下の点を指摘する.

体義伽陀の止観に関する項には,『声聞地』に基づく箇所が見られる.しかし厳密に『声聞地』に従っているとは思えない.なぜなら(1)体義伽陀は,『声聞地』に見られない説明,すなわち纒と随煩悩を滅して軽安を得ること,麁重と身体的存在の関係,慈心に基づく止を示す.(2)一方『声聞地』が詳述する内容,すなわち五停心観,名称に過ぎないという観想方法,止観による転依āśrayaparivṛttiの獲得は一切言及していない.(3)また『声聞地』と同じ偈頌を引用するが,尽所有性・如性有性といった同じ言葉を用いつつも異なった解釈を付している.

したがって体義伽陀は,基本的な表現を『声聞地』と共有しながらも,『声聞地』に特有の思想――比較的新しい層もある――に言及せず,身体的存在と識の関係に一層の関心を向けていると推測できる.
目次1. Introduction 1229
2. Comparing ŚaG Passages with the ŚrBh 1229
2.1. Visualization of Impurity 1229
2.2. Defilements and the Body at Ease 1230
2.3. The Removal of Heaviness and Ātmabhāva 1231
2.4. Śamatha and Vipaśyanā 1232
3. Conclusion 1233
ISSN00194344 (P); 18840051 (E)
DOI10.4259/ibk.65.3_1229
ヒット数219
作成日2022.05.25



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