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Inflections of dā, pra-dā, pra-yam and Their Suppletion in the Saddharmapuṇḍarīka-sūtra=梵文『法華経』におけるdā, pra-dā, pra-yamの活用とその補完現象について |
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著者 |
Kasamatsu, Sunao (著)=笠松直 (au.)
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掲載誌 |
印度學佛教學研究 =Journal of Indian and Buddhist Studies=Indogaku Bukkyōgaku Kenkyū
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巻号 | v.66 n.3 (總號=n.145) |
出版年月日 | 2018.03.25 |
ページ | 1063 - 1070 |
出版者 | 日本印度学仏教学会 |
出版サイト |
http://www.jaibs.jp/
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出版地 | 東京, 日本 [Tokyo, Japan] |
資料の種類 | 期刊論文=Journal Article |
言語 | 英文=English |
キーワード | dā; pra-yam; root aorist; s-aorist; Buddhist Hybrid Sanskrit |
抄録 | dā「与える」のアオリストは本来,Pāṇini II 4,77が言う如く,語根アオリストである(adāt).パーリでは,古層部分にadāが散見されるが,s-アオリストadāsiが一般的である.これは中期インド語共通の傾向で,Mahāvastuも専らadāsiを用いる.
梵文『法華経』では特徴的な現象が観察される:中央アジア・カシュガル本はadāsīt又はprādāsītを用いるが,ギルギット・ネパール伝本はほぼ一貫してadātを示す.
この現象は次のように説明できる:『法華経』祖形はadāsīt(乃至adāsi)を用いた.中央アジア伝本はこの読みを伝えるが,ネパール伝本は伝承の過程で古典サンスクリット語形adātに置き換えていった.そのためネパール伝本でadāsītを伝える箇所は写本間で一致しない,例えば:コルカタ112a5(並行はKN 250,2)と北京本p. 255,7(同,KN 302,9).
(pra-)dāはVeda時代以来,現在語幹を担うpra-yamと補完現象を起こす.例えば『法華経』XXI巻に「陀羅尼の文句」を目的語にとるdāsyāmaḥ ... dāsyāmi ... prayacchantiの例がある.
他方カシュガル本は特徴的な語形を示す.Kashgar IV: 119b4 pradeti(~KN IV 49 dadāti)はパーリのpadetiとほぼ等しい.偈文である故,中期インド語形が保存されたものであろう.一例のみ見られるKashgar XXV: 428a7 anuprayacchīt(~KN XXIV: 446,9 dadāti sma)は,現在語幹にアオリスト語尾を付した異例形で,補完現象の原則にも反する.この言語的事実は,「観世音菩薩普門品」が他の諸章とは編集事情を異にし,異なる言語層に属することを示唆するであろう. |
目次 | 1. Introduction 1063 2. adāt, adāsīt or prādāsīt 1064 3. pra-dā and pra-yam 1065 4. Conclusion 1067 |
ISSN | 00194344 (P); 18840051 (E) |
DOI | https://doi.org/10.4259/ibk.66.3_1063 |
ヒット数 | 266 |
作成日 | 2022.08.09 |
更新日期 | 2022.08.09 |
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