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Flesh-selling Rituals in Indian Tantric Buddhism: Descriptions in the Buddhist and Hindu Bhūtaḍāmaratantra=インド密教における肉の売却:『ブータダーマラ・タントラ』の記述を中心にして
著者 Fujii, Akira (著)=藤井明 (au.)
掲載誌 印度學佛教學研究 =Journal of Indian and Buddhist Studies=Indogaku Bukkyōgaku Kenkyū
巻号v.67 n.3 (總號=n.148)
出版年月日2019.03.25
ページ1183 - 1188
出版者日本印度学仏教学会
出版サイト http://www.jaibs.jp/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語英文=English
キーワードBhūtaḍāmaratantra; Māṃsavikraya; selling flesh; ritual
抄録本論文では仏教版とヒンドゥー教版とで近似する内容を備える『ブータダーマラ・タントラ』(Bhūtaḍāmaratantra)内の「下男,下女の成就法」に見ることの出来るśmaśānaに於ける「肉を売る」修法を挙げ,仏教版BTの特色を明らかにすることを目的としている.

BT内では修法者は規定の量(8パラ)の黒山羊の肉を持ってśmaśāna(尸林/火葬場)に赴き,四方を見る.その後,śmaśānaに住むマハーブーティニーがバラモンの姿で現れ,肉と同量の黄金でその肉を受け取るとされる.これと類似の修法は『蘇婆呼童子請問經』の蔵訳にのみ見られる「人肉による成就法」が挙げられ,人肉(mi yi sha)を売りたいと思う者がdur khrod(śmaśāna)に赴くことが説かれている.ここでは夜に死人の肉を切り取り,左手で肉を持ち,右手に刀(ral gri)を持って修法を行い,肉を売ることを大声で呼びかけ,それを繰り返し言いながら東西南北を歩き回る行者の姿が描かれる.また,『妙吉祥最勝根本大教經』内に説かれる修法にも強い親縁関係が認められる.これら修法に関連する修法が,7世紀末から8世紀中葉に活躍したと考えられるバヴァブーティによる戯曲Mālatīmādhavaにも認められ,これらの修法は人口に膾炙した物語を基礎とした,仏教・ヒンドゥー教双方に共有された修法であったと言い得る.この様な共通の修法を扱う題材としては起屍鬼法が挙げられるが,「śmaśānaで物を売る修法」も同様の題材の一つであったと言えよう.
目次1. Introduction 1183
2. “Selling flesh” ritual in the BT 1183
3. Selling flesh or liquor in other Buddhist Tantric texts 1183
4. Selling flesh in Indian literature 1185
5. Conclusion 1186
ISSN00194344 (P); 18840051 (E)
DOIhttps://doi.org/10.4259/ibk.67.3_1183
ヒット数285
作成日2022.09.21
更新日期2022.09.21



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