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Descriptions of the Latter Age and Accomplishments in Indian Tantric Literature=インド密教における末世観と成就
著者 Fujii, Akira (著)=藤井明 (au.)
掲載誌 印度學佛教學研究 =Journal of Indian and Buddhist Studies=Indogaku Bukkyōgaku Kenkyū
巻号v.69 n.3 (總號=n.154)
出版年月日2021.03.25
ページ1118 - 1123
出版者日本印度学仏教学会
出版サイト http://www.jaibs.jp/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語英文=English
キーワードlatter age; paścime kāle paścime samaye; yugāntaka; yugādhama
抄録密教経軌中には,末世の行者,衆生を形容する種々の記述が認められる.しかしながら,これまでの密教研究においては,密教経軌中の末世観について扱っているものは少なく,各密教経軌中における末世に対する密教行者の思想と,末世への対応がいかになされてきたかを知ることが出来ない.本論文では,Mañjuśriyamūlakalpa (MMK)やAmoghapāśakalparāja (APK)あるいは仏教版Bhūtaḍāmaratantra (BBT)を始めとする,サンスクリットが現存する密教経軌を主たる典拠として,密教経軌中に見ることの出来る「末世」「末法」「仏滅後」という記述を提示し,密教行者たちの末世観と,その思想に対する態度を明らかにした.

用例の分析をした結果,いくつかの密教経軌中には末世における密教行者の成就に対する渇望が明確に見て取れた.また,これらの記述は未来世にあっても成就があることを示し,儀軌あるいはマンダラやマントラなどが如来の代わりとなるという,言わば悪世における解決策を示している.これは,種々の未来世の記述が,密教経軌の力や有用性を示すための要素として機能しているとも言い得るであろう.密教経軌中の末世観に関わる記述においては,密教的なマンダラや陀羅尼,成就法の力を主張することに力点が置かれていると言える.本論文で挙げた記述には,未来世に対する言い知れぬ不安を読み取ることが可能であり,またこれらの記述は未来世における不安感を払拭する機能を持っている,と言えるだろう.
目次1. Introduction 1118
2. Descriptions of the latter age in the Mañjuśriyamūlakalpa (MMK) 1118
3. Descriptions of the latter age in the Amoghapāśakalparāja (APK) 1120
4. Descriptions of the latter age in the Bhūtaḍāmaratantra (BT) 1120
5. Conclusion 1121
ISSN00194344 (P); 18840051 (E)
DOIhttps://doi.org/10.4259/ibk.69.3_1118
ヒット数154
作成日2023.01.04
更新日期2023.01.04



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