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mā ... bhaiṣṭa / bhāyatha
著者 Kasamatsu, Sunao (著)=笠松直 (au.)
掲載誌 印度學佛教學研究 =Journal of Indian and Buddhist Studies=Indogaku Bukkyōgaku Kenkyū
巻号v.70 n.3 (總號=n.157)
出版年月日2022.03.25
ページ1095 - 1101
出版者日本印度学仏教学会
出版サイト http://www.jaibs.jp/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語英文=English
キーワードbhay/bhī; prohibitive; inhibitive; Buddhist Hybrid Sanskrit
抄録 梵文『法華経』VII章に以下の如くある:KN 188,2 mā bhavanto bhaiṣṭa mā nivartadhvam 「諸君,[君たちは]恐れてはいけない.引き返してはいけない(= WT 166,16-17)」.ここでKN本はbhay / bhīにアオリスト語幹による禁止法を用いている.他方,カシュガル本並行箇所182a2はmā bhavantaḥ satvā bhāyatha ...と読み,現在語幹から作る.この際,いずれの読みが好ましいであろうか.

 ヴェーダ期には語根アオリストに基づく2 sg. inj. bhaisのほか,sアオリストに基づく2 sg. bhaiṣīsがあり.その2 pl. に相当するmā bhaiṣṭaはMahāBhārataにも存する.永く用いられた正統的な語形である.しかし仏教混交梵語文献がこの活用形を用いていたとは考え難い.

 パーリ文献に見られるアオリスト語形2 sg. bhāyi, 2 pl. bhāyitthaは現在形bhāya-tiから二次的に形成されたものであろう.Mahāvastuでもこのbhāya-ti活用が一般的で,禁止法には現在語幹のmā bhāyatha等を用いる.恐らく原『法華経』も同様の言語状況にあり,韻文部分(Saddhp I 82c及びVII 99b)のみならず散文部分でも一貫してmā ... bhāyathaと読んだものであろう.こうした読みを保持する中央アジア写本群の資料的価値は大きい.

 一部写本が示す異読も上述の結論を支持すると考えられる.例えばギルギットA本91,25 bhaiṣṭaに対する河口慧海将来貝葉写本73a3 kāyadhvaṃは明らかに現在語幹の+bhāyadhvamを示唆する.中動相へ改変されているものの,この読みはより原型に近い,中期インド語的語形を伝えるものと見做せるであろう.
目次1. Introduction 1095
1.1. Summary 1095
2. Vedic literature 1096
3. Pāli literature 1096
4. Mahāvastu 1097
5. Saddharmapuṇḍarīka-sūtra 1098
Supplementary note: Mahābhārata 1099
ISSN00194344 (P); 18840051 (E)
DOIhttps://doi.org/10.4259/ibk.70.3_1095
ヒット数813
作成日2023.01.10
更新日期2023.01.11



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