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不空所伝の『金剛頂瑜伽経』について(5):『理趣釈』成立事情管見= The Chin-kang-ting-yu-ch'ien ching Transmitted by Amoghavajra-(5.)-
著者 田中悠文 (著)
掲載誌 智山学報=Journal of Chizan Studies=智山學報
巻号v.41
出版年月日1992.03.31
ページA73 - A85
出版者智山勧學會
出版サイト https://www.chisankangakukai.com/
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語日文=Japanese
抄録筆者は現在までに,8世紀にインドから中国へ,いわゆる『金剛頂経』系(従来の研究者の多くは初会金剛頂経とその付随の儀軌とする)密教を伝え,事実上その後の中国密教の主流をなした,不空三蔵の伝承した密教法門の主力とされる『金剛頂経』が,単に『真実摂タントラ』をさしていうのでも,『十八会指帰』中に列挙される十八部の瑜伽の名をもつ聖典群の総称として用いられるのでもなく,『梵本金剛頂瑜伽経』なる独立した聖典が存在する事からも,一口に『金剛頂経』といっても,場合によってその指し示す範囲に自ずと相違があるということを指摘してきた。それ故,例え題名に「金剛頂」あるいは「金剛頂瑜伽」なる名称が付加されていたにしても,直ちにそれを一義的に単一の聖典に帰されるものと考えるのではなく,それら儀軌各個を構成する諸要素を適宜検討することによって,各儀軌等の文献が典拠とする聖典を特定する作業が必要とされると考える。このような基礎的作業によって,はじめて金剛智・不空の伝承した「金剛頂経」と称される法門の輪郭が明らかにされると思われるためである。以上のような観点に立って,本稿では不空撰述と思われる『大楽金剛不空真実三昧耶経般若波羅蜜多理趣釈』(大正1003,以下『理趣釈』)をとりあげ,その撰述の傾向,構成要素の検討から,不空の伝承した法門について論究せんとするものである。
目次〈論文要旨〉 73
はじめに 73
1.『理趣釈』全体の構成 74
2.『理趣釈』成立に関する諸見解 75
3.『理趣釈』に引用される「広経」等の密教文献について 78
まとめ 81
〈注 記〉83
ISSN02865661 (P)
DOIhttps://doi.org/10.18963/chisangakuho.41.0_A73
ヒット数292
作成日2023.04.10
更新日期2023.04.10



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