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永明延寿の禅思想が韓国仏教に及ぼした影響
著者 朴仁錫 (著) ; 金炳坤 (著)
掲載誌 国際禅研究=International Zen studies
巻号v.3
出版年月日2019.07
ページ69 - 93
出版者東洋大学東洋学研究所国際禅研究プロジェクト
出版サイト http://www2.toyo.ac.jp/~ibuki/kokuzenken/index.html
出版地東京, 日本 [Tokyo, Japan]
資料の種類期刊論文=Journal Article
言語日文=Japanese
ノート国際禅研究プロジェクトが武漢大学で共催した国際シンポジウム「Chan・Zen・Seon:禅的形成及其在世界的展開」特集Ⅱ
キーワード永明延寿; 『宗鏡録』; 『万善同帰集』; 韓国仏教; 普照知訥; 退翁性徹; 頓漸論争
抄録この論文の目的は永明延寿の禅思想が韓国仏教全般に及ぼした影響を包
括的に探ってみることにある。延寿は彼の生存時期に、すでに高麗に名声
が伝えられていたのであるが、これは当時、高麗仏教界において諸宗を綜
合する性格の仏教が必要であったからであった。したがって高麗では、多
くの僧侶たちを延寿門下に送ったのであり、これらの中の多くが帰国後、
重要な活動をしたものとみられる。おそらくこのような事柄が、その後、
朝鮮初期に刊行された『仏祖宗派之図』において法眼宗の流れを高麗へと
帰結させることに大きな影響を及ぼしたものとみられる。また、延寿の禅
思想は高麗仏教を代表する知訥と慧諶の二人に対しても相当な影響を与え
たことが確認されている。この二人に及ぼした延寿の影響については、こ
れまで、それほど活発に研究されていなかったため、今後、より多くの研
究が現れるものと考えられる。
 朝鮮時代には延寿の影響を直接的に確認することは容易ではない。ただ、
彼の著述、例えば『宗鏡録』『万善同帰集』などが持続的に伝承されたと
いう点は確認することができる。これは朝鮮末期に至り、『宗鏡録』が円
宗という新しい宗派の形成の根拠となったという点と、二十世紀の初め、
近代仏教教育の出発点となった中央学林においても『宗鏡録』が一定程度
の役割を果したという点から知ることができる。その後、現代になって韓
国仏教で引き起こされた頓漸論争の過程をみると、七百余年という間隔は
あるにしても、知訥と性徹は、同一の延寿の著述に対して相異する見解を
提起することによって、熾烈な論争が巻き起こしたのである。このような
点は、最近、延寿に対する研究が韓・中・日の三国において活発に進行さ
れるようになったことで、より分明になった内容である。したがって、韓
国仏教と延寿の禅思想との関連性については、今後さらに進展された成果
が生れるものと期待できる。
目次提要 69
1 .序論 70
2 .永明延寿と高麗仏教 71
1 )高麗光宗時代における延寿禅思想の伝来 71
2 )普照知訥の無心合道門と永明延寿の『宗鏡録』 72
3 )真覚慧諶と『宗鏡録』 76
4 )高麗において刊行された延寿関連禅文献 78
3 .永明延寿と朝鮮仏教 83
1 )『仏祖宗派之図』に現れた法眼宗の位相 83
2 )『朝鮮仏教通史』にみられる『宗鏡録』 85
4 .現代韓国仏教における永明延寿の影響:退翁性徹の無心と頓漸論 86
5 .結論 89
【参考文献】 90
【注】 91
ISSN24338192 (P)
DOIhttp://doi.org/10.34428/00011033
ヒット数160
作成日2023.06.05
更新日期2023.06.05



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